今日9月14日9:43頃、熊本県の阿蘇山が噴火した。
噴火したのは中岳第1火口で、噴煙が2000mまで達した。
気象庁は、阿蘇山の噴火警戒レベルを「2」(火口周辺規制)から、「3」(入山規制)へ引き上げた。
中岳第1火口では、1979年9月に観光客3人が死亡する噴火が起きた。
2014年8月には、火山活動が高まったために噴火警戒レベルを「2」に引き上げた。
同年11月にはマグマ物質が地表に噴き出す小規模なマグマ噴火が発生した。
【写真】今朝の阿蘇山噴火の瞬間)
今日の噴火について、気象庁は、火山灰にマグマの成分が含まれていることから、マグマ水蒸気噴火の可能性が高いという。
気象庁地震火山部・北川貞之火山課長は「火口からおおむね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石と火砕流に警戒を。それほど爆発的ではなかったといえますが、マグマ水蒸気噴火だった可能性もある」と語る。news.tv-asahi.co.jp
以下に、噴火の瞬間のYouTube動画を貼り付けておく。
【最新映像】阿蘇山噴火の瞬間 20150914 - YouTube
この100年間で阿蘇山が噴火した年を数えると60以上になり、噴火しなかった年よりも多い。
つまり2年に一度以上の頻度で噴火している。
なので、たとえば「今年は阿蘇山が噴火します」と誰かが当てずっぽうに予言したとして、「当たる」確率は大きいのだ。
ただし、火山がおならしたような噴火も含まれていて、規模は考慮されていない。
2014年にマグマ噴火があったが、22年ぶりくらいのことだった。
下記の8日の記事で紹介した、木村政昭・琉球大名誉教授の最新刊『次に備えておくべき[噴火」と「大地震」の危険地図』(木村政昭著、青春出版社、1,250円+税)では、阿蘇山の噴火も予測されていた。tankyu.hatenablog.com
阿蘇山噴火の時期は「2023±5年」と予測していて、本書の「危険度メーター」は4(最高5)となっている。
とはいっても、これは「本噴火」の予測であり、今日の噴火のレベルではないだろう。
また、予言的な分野でいうと、松原照子さんがたびたび阿蘇山について言及している。
直近の世見では、今年5月25日の「日本の火山活動について」だろうか。
現在日本はいつどこが雄叫びをあげてもおかしくない時期に来てしまったと思われます。
御嶽山では多くの犠牲者が出てしまいました。
西ノ島の近くでは日本の面積が大きくなる噴火も現在進行形です。
阿蘇山・桜島・蔵王山も要注意の現在です。
(松原照子、ブログ「幸福への近道」、2015/04/25より)
もちろん、これをもって「世見的中」などと言うつもりはない。
こういうことを書いていましたというレベルで紹介するにとどめる。
阿蘇山といえば、じつはこのような通常の火山噴火よりもずっと恐ろしい、日本国にとって壊滅的なカタストロフィの可能性がある。
それは、先月の下記の記事で紹介したTOCANAの記事で書いたものだ。
それは、「カルデラ破局噴火」という。
前回は桜島の破局噴火のケースを検討したが、実は過去には阿蘇山もカルデラ破局噴火している。
過去9万年前までの破局カルデラ噴火により、火砕流は南九州の一部を除く九州のほぼ全域に達した。
つまり、同規模以上の破局噴火が再度起きれば、川内原発は壊滅してしまう。
日本で今後100年間にカルデラ噴火(破局噴火)が発生する確率は、1%とされている。
これは決して高くはない数値だが、まったく無視して良いものでもない。
たとえば九州で起きて九州全体が火砕流でやられる規模ならば、川内原発だけでなく、危険な原発は日本で少なくはないだろう。
九州電力が川内原発の件で主張したように、原発稼働中に噴火が起きることはないとする根拠は不明だ。
以上紹介したカルデラ破局噴火は、今日の噴火とは直接関係がない。
その点、混同されないようにご注意ください。
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