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世鳥アスカさんの漫画『明日、地震がやってくる』


昨日に続いて、今日も風邪で仕事を休んだ。
3/3の記事で書いた、世鳥(せとり)アスカさんのコミック作品『明日、地震がやってくる』を読み終えたので、概要を紹介することに。
後述するように、東日本大震災の被災体験を綴った貴重なノンフィクションなので、ぜひ多くの人々の目に止まってもらいたい。


アスカさんは、エッセイコミックというジャンルで作品を描いている人だ。
この漫画で、私が取材され、作品中に実名で登場する経緯については、下記の記事で書いたので省略する。



この作品は、3月10日に発売されたが、Kindle版(電子書籍)も出たことは知らなかった。

明日、地震がやってくる!

明日、地震がやってくる!

『明日、地震がやってくる! 』、世鳥アスカ著、角川/エンターブレイン
(定価1050円)


↓こちらがKindle版。(定価998円)

明日、地震がやってくる! (ホビー書籍部)

明日、地震がやってくる! (ホビー書籍部)


私が取材されたのは「地震予知」の部分の参考のためだが、それはこの作品の一部で、アスカさんが住んでいる千葉県浦安市の液状化現象の体験が作品のメインとなっている。
以下に、Amazonの内容紹介の部分をそのまま引用する。

東京から[もっとも近い被災地]があったことを知っていますか?

被災後、地震への恐怖にフタをして生きてきた私。
地震は怖いし、いつ来るかわからないから、
その「来る時」までなるべく見てみぬふりをしたい。
けれど、このまま忘れてあの辛かった経験をもう一回繰り返しはしたくない。
大地震の記憶がうすれてきた今だからこそ、地震についてちゃんと考える良い機会では!?
と決意してマンガを描き始めるのだったが……

東京から「もっとも近い被災地」である千葉・浦安の液状化による被害に直面した、
マンガ家・世鳥アスカの震災時の体験とその後から学ぶ、
きっとまたかならずやってくる地震への教訓、対策、知識が満載!!


発売前にサンプル本が届き、さっそく読んでみた。
ちなみに私は漫画を読む習慣がまったくなく、もう10年以上買っていないかな。
昔はお涼さま(山岸凉子さん)とかが好きだったのだけど。^^;

作品の概要

作者は3歳の頃から千葉県浦安市のマンションに家族とともに住んでいる。
小さい頃から、このあたりは大地震で液状化すると聞かされていた。
2011年3月11日、家で漫画を描いていた作者は、東日本大震災の地震に襲われた。
浦安市では震度5強〜震度6を記録した。


外に出てみると、アスファルトが割れ、あちこちから泥が吹き出し、マンホールが浮きだしていた。
その日から、被災地生活が始まった。
水道は2週間以上止まり、給水車の世話になり、風呂に入れず、トイレは外の仮設トイレに通う。
被災地に指定されているのに計画停電も体験した。
市外から、まるで観光でもするかのように人々が見物に押し寄せる。


震災から2年たち、自分の震災体験をマンガにしようと決意する。
被災体験を思い出したくない気持ちが募ったが、もしも次に大地震が起きたときに、自分の体験が役立つかもしれないと思い、重い筆を進めた。
その後、防災館へ通って「震度7」も体験をした。

百瀬が登場する部分

私が登場するのは、最後の「備えあれば憂いなし[実践編]」の章の一部だ。
地震予知について、まったく知識がなかった作者が、「詳しい人に聞いてみよう!!」ということで、なぜか私のところに依頼が来た。
ここで、私がどういうことを話したか?
そこまで書くと営業妨害になりかねないので、やめておく。

貴重なドキュメンタリー

この作品を週末に一気に読み終えて、被災者でしかわからないようなことが次々と描かれているので、非常に参考になった。
貴重なノンフィクション作品だ。
たとえば私が同様の被災体験をしたとして、それを記録に残そうと思った場合、活字だけの本でしか表現できない。
多少写真も使うだろうが、それでも限界がある。


だが、アスカさんはマンガとして描いているために、ヴィジュアルに訴える部分が大きく、言葉だけで表現するよりも、はるかにわかりやすい。
なるほど、こういうところにマンガとして描く価値があるのだなと思った。


被災生活の中、家族がどんな工夫をして暮らしていたかが、よくわかる。
いざという時、どんな防災用品が役に立つかのノウハウも散りばめられている。
浦安市長からも、読んで感動したというメッセージをもらったという。
本の帯に「浦安市長ご推薦」とある。


液状化現象は、首都直下地震などが起きた際に、東京都23区など、海沿いの低地や川の近くなどで大きな被害が懸念されている。
特にそのような地域に住む人々に、お薦めしたい。
自分が登場する地震予知の部分はごく一部なので、過度に期待されない方が良いだろう。
体感予知などのことも説明しているが、そういうことが実際あるかないかは、読む方々の判断にお任せする。


もし自分が関係者でなければ、「マンガだから」と興味を持たなかったかもしれない。
私のようにマンガを読む習慣がない方にも、先入観を捨てて読んでもらいたいものだ。

浦安市の液状化現象の動画

私は3.11から1ヶ月ほどして、浦安市に「聖地巡礼」して慰霊の祈りをした。
その後、浦安の街を歩いてみた。
その時に撮影したYouTube動画を、参考までに貼り付けておく。
この頃は、住民や自衛隊やボランティアの人々によって、かなり復興されていたと思うが、まだ生々しい傷跡が残っている。


3年前のこちらの記事では、写真も載せている。


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