探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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【災害】エルニーニョ/ラニーニャ現象と台風・地震との関係~来年まではもっと大変か?


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太平洋の赤道周辺の海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」と逆に低温になる「ラニーニャ現象」と、大地震・台風の発生には大いに関係がある。
エルニーニョについては、その終息から1年ほどの期間にも大地震が発生しやすくなる傾向があるが、では今年日本で猛威を振るっている台風についてはどうかも紹介する。



エルニーニョ/ラニーニャと地震

今日は外出後に「環太平洋対角線上の法則」などのデータ精査を行っていて、ブログ執筆の時間があまりなくなってしまった。
また、エルニーニョ/ラニーニャ現象と大地震発生のデータも見直していた。

それで、短くなるが、エルニーニョ/ラニーニャ現象と地震・台風の発生の関係について少し書いてみたい。

まずはエルニーニョ/ラニーニャと大地震の発生の関係について。
これまでの自分の研究の結果、太平洋の赤道周辺の海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」と、逆に低温となる「ラニーニャ現象」と大地震の発生に関係があることがわかってきた。

それは、両者が発生している間および終息から1年間ほどの間に、南海トラフ巨大地震を含めた太平洋側の海溝型大地震が多く発生しているということ。

エルニーニョ/ラニーニャ前後に起きた大地震

以下に、エルニーニョ現象が起きていたことがわかっている16世紀以降のエルニーニョ・ラニーニャの期間と、その前後に日本で起きた大地震を抜粋する。
これは全てではなく、比較的規模が大きい地震や多くの被害が出た地震をピックアップしている。

凡例 【エ】:エルニーニョ、【ラ】:ラニーニャ、【南海】:南海トラフ巨大地震

16世紀

【エ】1585年
◎1586年1月18日:天正地震(東海東山道地震、飛騨・美濃・近江地震) - M7.8〜8.1、犠牲者多数。
【エ】1607年~1608年
◎1611年12月2日:慶長三陸地震 - M8.1、三陸沖?十勝・根室沖?大津波による犠牲者約2,000〜5,000人。
【エ】1703~04年
◎1703年12月31日:元禄地震(元禄関東地震) - M8.1〜8.2、関東南部に津波、犠牲者6,700人。
【エ】1707~1709年
【南海】1707年10月28日:宝永地震(南海トラフ全域) - M8.4〜8.6

17世紀

◎1707年10月29日:宝永富士宮地震 - M7.0。
【エ】1751年
◎1751年5月21日:高田地震 - M7.0〜7.4、犠牲者1,541人。
【エ】1761年~1762年
◎1763年1月29日:宝暦八戸沖地震 - M7.4 - 7.9、津波あり。
【エ】1765~66年
◎1766年3月8日:津軽地震 - M6.9~M7、犠牲者約1,500人、津波。
【エ】1768~70年
◎1771年4月24日:八重山地震 - M7.4〜M8.0、犠牲者約12,000人、津波。
【エ】1790~93年
◎1793年2月17日:寛政地震(宮城県沖) - M8.0〜8.4、犠牲者100人位、津波。
【エ】1802~04年

19世紀

◎1804年7月10日:象潟地震(出羽国) - M7.0±0.1、犠牲者500〜550人。津波。
【エ】1832年~1833年
◎1833年12月7日:庄内沖地震 - M7、犠牲者40〜130人、津波。
【エ】1844年~1846年
◎1847年5月8日:善光寺地震 - M7.4。山崩れにより犀洪水、犠牲者約1万 - 1万3,000人。
【エ】1852~1853年
◎1853年3月11日:小田原地震 - M6.7±0.1、犠牲者約20〜100人。
【南海】1854年12月23日:安政東海地震(東海道沖の巨大地震) - M8.4
【南海】1854年12月24日:安政南海地震(南海道沖の巨大地震) - M8.4
【エ】1857~1859年
◎1858年4月9日:飛越地震 - M7.0〜7.6。犠牲者数百人。
【ラ】1872年~1874年
◎1872年3月14日:浜田地震 - M7.1、犠牲者552人。
【エ】1891年
◎1891年10月28日:濃尾地震 - M8.0、犠牲者・行方不明者7,273人。
【ラ】1892年~1893年
◎1894年6月20日:明治東京地震 - M7.0、犠牲者31人。
◎1894年10月22日:庄内地震 - M7.0、犠牲者726人。
【エ】1896~97年
◎1896年6月15日:明治三陸地震 - M8.2〜8.5、津波地震、犠牲者・行方不明者2万1,959人。

20世紀

【エ】1905春~1906春
◎1905年6月2日:芸予地震 M7.2、犠牲者11人。
【エ】1914春~1915春
◎1914年3月15日:秋田仙北地震 - M7.1、犠牲者94人。
【エ】1941春~1942春
◎1941年11月19日:日向灘 - M7.2、四国沿岸で津波1m。
【ラ】1942春~1943秋
【南海】1944年12月7日:昭和東南海地震 (M7.9)、犠牲者・行方不明者1,223人。
【エ】1946年春~1947年春
【南海】1946年12月21日:昭和南海地震 M8.0、犠牲者・行方不明者1,443人。
【エ】1951年春~1951/2年冬
◎1952年3月4日:十勝沖地震 - M8.2、津波。
【エ】1963年夏~1963/64年冬
◎1963年10月13日:択捉島沖地震 - M8.1。津波。
【エ】1982年春~1983年夏
◎1983年5月26日:日本海中部地震 - M7.7、大津波、犠牲者104人。
【エ】1991年春~1992年夏
1993年7月12日:北海道南西沖地震 - M7.8、犠牲者・行方不明者230人。巨大津波。
【ラ】2010年夏~2011年春

21世紀

【ラ】2010年夏~2011年春
◎2011年3月11日:東北地方太平洋沖地震(Mw9.1)、犠牲者・行方不明者約2万2000人。
【エ】2014年夏~2016年春
◎2016年4月16日:熊本地震 - M7.3、犠牲者258人。
【ラ】2017年冬~2018年春
◎2018/06/18 大阪北部地震(M6.1)
◎2018/09/06 北海道胆振東部地震(M6.7)
【エ】2018年秋(11月)~2019年夏(6月)


以上のデータは、下記の固定ページ『【資料】エルニーニョ/ラニーニャと大地震の関係』からの抜粋であり、興味がある方は参照してください。


南海トラフ巨大地震

こうして見ると、南海トラフ巨大地震は、エルニーニョとラニーニャ現象の発生中に起きているものもあるが、それよりも終息後の1年以内くらいに起きているものが多い。
加えて、他の主に太平洋側で起きる海溝型の大地震についても同様かもしれない。

「あれ?何でこうなるんだろう?」

その説明原理はまだわからないが、海水温に関係している可能性はあるだろう。
後述するように、台風についてもエルニーニョ現象が終わって翌年の気象にも大きな影響を与えるようなので、「終息後1年間」というのも、何らかの形で説明がつけられるかもしれない。

加えて、同じ期間中に、海溝型地震だけでなく、内陸でも大きな地震が起きやすい傾向にあるのかもしれないが、まだはっきりは言えない。

内陸地震も関係あるのか?

2018年6月に、ラニーニャ現象が終息しそうだった時に、TOCANAで前述のような法則について記事を書いた。
その記事で、ラニーニャ終息後の1年間くらいまでは、太平洋側の海溝型地震に注意喚起しておいた。


これが掲載された2週間後の6/18に、に、大阪北部地震が起きてしまった。
また、さらに3ヶ月後には北海道胆振地震が起きてしまった。

この2つの被害地震は、たしかに「太平洋側」ではあったが、内陸地震だった。
海溝型の地震ばかりに目が行ってしまい、内陸地震への警戒が疎かになってしまっていた。

これを機に、エルニーニョ/ラニーニャ期間中には内陸の大地震も起きやすくなる傾向があるのだろうかと考えるようになった。
だが、まだ研究中で、結論には至っていない。

現在は、2018年秋(11月)~2019年夏(6月)に発生したエルニーニョ現象が終息したので、私の説が正しいとすれば、来年の夏頃までは大きな地震に注意が必要ということになる。

エルニーニョと台風

次に、エルニーニョと台風の関係についてだが、時間がないので簡単に書くにとどめる。
エルニーニョが発生した年の前後では、以下のような気候の傾向がある。

エルニーニョ発生時の夏7~9月は、台風の発生が平常より少ない傾向にある。

エルニーニョが起きた年の秋は、10日以上の長寿台風が増える傾向にある。
これは、まさに今年多大な被害を出した台風15号や19号に当てはまるだろう。

通常は台風は、9月をピークに接近・上陸の危険性が高まる。
そろそろ10月は終わりだが、11月以降になると、台風の発生は非常に少なくなる。

熱帯の対流活動が活発なエリアが夏は平年(フィリピンの東海上)よりも南に、秋は南東にずれる傾向がある。

来年は台風の数がもっと増える?

さらに、エルニーニョ現象が発生した翌年は、台風の発生数が異常に増加するという。
このことは、前述のように、大地震も起きやすいのと同期すると言えるだろうか?

ということは、来年は今年以上に大きな被害をもたらす台風が増えるのだろうか?
そして、南海トラフ巨大地震も含めた大きな地震も起きやすくなるならば、ダブルパンチということになる。

今年は台風15号と19号を中心として、多くの犠牲者を含めた甚大な被害が出たが、来年もまた気が休まらない年になるのかもしれない。
そのへんは、来春の諏訪大社の筒粥神事をはじめとする各地の粥占に期待することにしたい。


※今日の記事は投稿が0時を過ぎてしまいました。すみません。



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