昨日8月14日に、日刊ゲンダイで『南太平洋の巨大地震が連動か 「バヌアツの法則」の不気味』という記事が掲載された。
マスコミで「バヌアツの法則」が記事に取り上げられるのは、これが初めてかもしれない。
「バヌアツの法則」は、Twitterやブログで地震関連の情報を発信しているエンジニア、Boppoさんが見つけ出したとされるもの。
南太平洋のバヌアツ(バヌアトゥ、Banuatu)付近で大きな地震があると、1~2週間後に日本付近でも大きな地震が起きるというもの。
「バヌアツの法則」適応例
この日刊ゲンダイの記事では、下記の地震の対応を例として挙げている。
◎2016/04/03、バヌアツ付近、M7.6
→2016/04/14、熊本地震(前震)、M6.5
◎2009/10/08バヌアツ諸島でM7.8
→2009/10/30奄美大島北東沖、M6.8
バヌアツ諸島は、太平洋プレート境界沿いにある。
だが、Boppo氏が対応付けている日本付近の地震は、必ずしも太平洋プレート境界付近が震源のものとは限らないようだ。
この点で、「日本付近」という定義付けに異論が生じる可能性があるかもしれない。
専門家の見解
この記事では、武蔵野学院大の島村英紀特任教授(地震学)による以下のコメントが紹介されている。
バヌアツと日本の地震に関連性があるかは分かりません。距離が離れているし、双方の地震が互いにどう影響し合っているか、解析に時間がかかりそうです。ただ、バヌアツは太平洋プレートで日本とつながっているので、バヌアツ付近で大規模地震が頻発しているということは、日本でも同規模の地震が起きる可能性はあるわけです。きのう、四国電力の伊方原発3号機が再稼働しましたが、リスクへの認識が甘すぎます。
たしかに、「太平洋プレート」という枠組みでは、対応関係があるかもしれないという点では、以前から私も同様に考えてきたとおりだ。
同記事では、熊本地震のケースにこの法則を当てはめると、要注意は8月22日~24日あたりだとしている。
さて、どうなるか。
広く南太平洋の太平洋プレート境界の大地震を問題にすべき?
このような対応関係は、たしかにあるかもしれないが、いままで何度か書いているように、バヌアツにとらわれずに、もっと広く、次のように提示した方が良いかもしれないとも思う。
「南太平洋の太平洋プレート境界付近で大地震が起きると、太平洋プレート西端の境界付近(日本付近)でも大きな地震が起きることが多い」と。
これはあくまでも仮設的であり、まだ詳細に吟味したわけではない。
この想定では、ニュージーランド、トンガ、サモア、ニューカレドニア、パプアニューギニアなどを含んでいる。
該当地域の大きな地震の後で日本付近の太平洋プレート付近で大きな地震が起きた例を、以下に挙げる。
これは十分な時間をかけて検討したデータではなく、あくまでもパッと見で見つけたもので、参考程度にとどめていただきたい。
◎1826年(月日不明) ニュージーランドで地震 - Mw 8.0。
→1826年1月(文政8年12月) 小笠原諸島近海 父島二見湾で6m津波
※参考
◎1855年1月23日 ニュージーランド、ワイララパ地震 - M 8.0。
→1855年3月18日 飛騨地震M 6 3⁄4±1⁄4又はM 6.9。
1855年9月13日 陸前M 7 1⁄4±1⁄4。
1855年11月7日 遠州灘 M7.0〜7.5、安政東海地震の余震。津波有り。
1855年11月11日安政江戸地震 M 7.0〜7.1。
◎1901年8月9日 ニューカレドニア Mw 8.3(Ms 7.9)。
→1901年8月9日〜10日 青森県東方沖 9日M7.2、10日M 7.4。
◎1917年5月1日 ニュージーランド M8.0。
→1917年5月18日 静岡付近 M6.0。
◎1931年2月2日 ニュージーランドM7.7。
→1931年3月9日 三陸沖Mj7.2、北海道、青森県、岩手県で最大震度 4。
◎1998年7月17日 パプアニューギニアMw7.0。
→1998年8月20日 小笠原諸島西方沖Mj7.1
◎2011年2月22日 カンタベリー地震M6.3、ニュージーランド南島カンタベリー地方
→2011年3月11日 東北地方太平洋沖地震M9.1
上記の中で、特に2011年のカンタベリー地震の2~3週間後に東日本大震災が発生したのは記憶に強く残っている。
やはりニュージーランドあたりで大きな地震が起きた後も要注意だろうか。
このへんは、うやむやにするのではなく、更なる探求をしたいと思っている。
今日の頭痛体感
今日は下記ツイートの通り、頭痛があった。
【体感】8/15夕方から突然ズキンとする頭痛が始まり、頭痛薬を飲んで17時で仕事を切り上げた。その後23時現在も軽い頭痛が続いている。低気圧要因は無い。 @kokanranger #地震前兆ラボ
— Noya Momose 百瀬直也 (@noya_momose) 2016年8月15日
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