SkySaver(スカイセイバー)という製品があると聞いても、どんな商品なのか、まったくイメージが湧かないだろう。
実はこれ、火災や地震が発生したときに、建物の2階以上から外へ脱出することが可能になる、優れものの防災用具なのだ。
そう聞いても、「どうやって?」と、まだ疑問だらけだろう。
その実態は、巻かれたワイヤーが詰め込まれたデイパックなのだ。
それを背負って、ワイヤーの一端を引っ掛けて、ワイヤーが少しずつ自動で出てきて、スルスルと地上まで降りられるという仕組み。
さきほどFacebookの動画が流れてきて、「これはすごい発想だ」と思った。
と、ここまで説明しても、まだ完璧なイメージが得られないかもしれない。
こういう時は、動画を見るのが手っ取り早いですね。
下記のYouTubeにあるPR動画を見てください。
SkySaver Rescue Device - YouTube
米国のSkySaver社が開発した製品だということで、この製品の開発のためにできた会社なのだろう。
下記のところで販売しているが、現時点で在庫がないようだ。www.rakunew.com
上記ページにある商品のメリットのいくつかを下記に載せておく。
- 最大135キロ(体重)まで運搬可能。
- 最大25階からの脱出可能。
- 自動制御降下装置。
- 安全性の専門家によって開発および試験済み。
- 真の携帯性。ほぼすべての場所に取り付け可能。
- 自己操作のため援助不要。
- 降下は懸垂下降と同じくらい簡単かつ安全。
- 電気などの動力が一切不要。
これに対して、デメリットと課題事項はどういうものがあるのか、思いついたものを挙げておく。
- 12万円と、価格が高め。
- 災害発生時に1人1個、1回しか使えず、人数分用意する必要がある。
- ワイヤーを壁に固定するフックをあらかじめ取り付けた窓からしか脱出できない(ワイヤーの先端を、窓の壁に引っ掛けるような金具式にすれば?)
- やはり単独だと(特に高所恐怖症の人は)怖いだろう。
とはいえ、これまで火災で助からなかった命が、これで救われるかもしれない。
25階まで対応というから、高層マンションでも利用できるだろう。
ただし、ワイヤーの長さが25mから80mの3タイプの製品があって、最長タイプを使った場合だ。
火災や地震などの災害と書いたが、実際は地震が起きた時には、安易に外へ飛び出さないというのが鉄則だろう。
民家でもビルでも、その上からガラスの破片や屋根瓦が落ちてくるかもしれない。
スカイセイバーと共に、ヘルメットの常備も必須だろう。
主体はあくまでも火災だろう。
9.11のようなビルの災害も想定されているかもしれないが、われわれの人生で一生に一度でもそのような事態が発生するかというと…。
重量が8Kgから12Kgもあるというから、普段持ち運んで利用するには向かず、あくまでも防災の常備品として備え置くためのものだろう。
25階もの高所から耐えるようにと頑丈なワイヤーを使っているのかもしれないが、もっと細く軽いワイヤーを使って、たとえば2階建ての住宅だけで使用できる安価版を開発したら、少しは安く軽くできるのでは?
日本ではまだ知名度が低いが、下記のメディアで紹介されている。