探求三昧 by 百瀬直也 - 地震前兆研究家が地震予知・地震予測・防災等を探求

地震前兆研究家、ノンフィクションライターの百瀬直也が地震予知・予測・予言等を探求するブログ

- 真理を得たいから、分かち合いたいから、はてない探求@はてなブログ -

HOME ABOUT LIST WEB VIDEO TWITTER FACEBOOK EMAIL PROFILE 

スポンサード リンク

世界中が泣いたタイの感動的動画とハワード・ケリー医師

スポンサード リンク

いつもTwitterで、RSSフィードで自動で流しているmisaさんのブログで、タイに関係する面白そうな記事が流れてきた。
「タイの「最高の倍返し」のお話 」とタイトルがある。
何だろうと思って、読んでみた。


タイの携帯電話会社TrueMoveがCMとして制作した3分間のビデオが、世界中で話題になっているというのだ。
これを読むまで、まったく知らなかった。


このビデオの概要は、misaさんのブログで詳しいので、まずそちらを読むことをお勧めします。
静止画のキャプチャとともに、あらすじが書かれています。
時間がないという方は、この記事だけを読み進めてください。
あらすじを読まないで動画を見た方が、「ネタバレ」しなくて良いという人もいるかもしれない。

日本語版ビデオを投稿

問題のビデオはタイ語で、英語の字幕が挿入されている。
英語が苦手な人々のために、少しでも多くの日本人に見てもらいたいと思い、自分で字幕を翻訳して、日本語版を作ってみた。
私のYouTubeアカウントではなく、サルちゃんのアカウントで投稿している。
それはこちらです。
◎世界を泣かせたタイの感動的なCM - Heart-Moving Commercial Video in Thailand


この動画を見て、朝から号泣してしまった。
見る度に泣いてしまい、ビデオを編集している時も、涙を流しながら作業を続けていた。
動画が非常によく構成・編集されているのと、俳優たちの演技が超一流なのだ。
それも泣かせる要因としてあるのだろう。^^;


動画の最後に、「与えることは最良のコミュニケーションである」と表示される。
タイ仏教では、「タムブン」(徳を積むこと)といって、動物を殺さず助けたり、困った人に施しをしたり、寺院に寄付を行うことなどで徳を積むことができ、より良い来世を送れたりすると信じられている。


ここに登場する、少年を助けた店の主人は、物乞いが来れば食物を与えるなど、「与える」ことを惜しみなくする人だった。
このような人物像は、タイ人たちが理想とする人間として描かれているのだろう。
まさに釈尊が説いた慈悲の行いだろう。
タムブン(功徳)は日頃から積んでおくべきものだという、タイ人に対するメッセージにもなっていると思う。

もとになった話

といっても、じつはこの話、まったくのフィクションではない。
米国の著名な産婦人科医だった、ハワード・ケリーという人物の実話に基いた物語なのだ。
下記に示すように、かなり変形されてはいるが、数十年前に恩を受けた恩返しとして医療費を0にするという重要な部分は共通している。
その話の外用を、以下に示す。

昔、ある貧しい少年が、家々を周って物を売りながら、学校の費用を自分で支払っていた。
彼はある時、お金がなく、空腹で苦しんでいた。
少年は1軒の家を訪れ、食べ物を恵んでもらえるように頼もうとした。
そこへ出てきたのが若い女性だったので恥ずかしくなり、食事のかわりにコップ1杯の水を頼んだ。
彼女は、少年がとてもお腹をすかしていることを察して、大きなコップ一杯の牛乳を持ってきた。
少年はそれを飲み終え、いくらあげれば良いかと聞くと、「私は母から、親切な行いに対して、お金を受け取ってはいけないと教えられたの」と答えた。


それから数十年が経った。
少年にミルクをあげた女性は、重病を患っていた。
地元の医師では手が負えず、都会の大きな大学病院に送られた彼女の病気は非常に珍しいもので、治療のために全米から専門の医師たちが呼ばれた。
ハワード・ケリー医師は、その一人だった。


ケリー医師は、新参の患者がどこの町から来たかを知ると、彼女の部屋を訪れ、診断した。
ケリー医師が全力で治療に当たったお陰で、無事に難病を克服し、彼女は元気を取り戻した。


彼女が退院した数日後、請求書が自宅に届いた。
支払いが一生かかるような高額であることがわかっていたため、恐る恐る封を開けてみた。
すると、そこには、「コップ1杯の牛乳によって支払い済み。Dr. Howard Kelly」と書かれていた。
ハワード・ケリー医師は、あの時にお腹を空かせていた少年だったのだ。

ケリー氏の美談はどこまで実話なのか

このたぐいの話は、たとえ元になる事実があったとしても、そこにあることないことが付け足され、かなり変形された美談として口づてで、あるいはネット上で伝わっていくものだ。
本当のところ、ハワード・ケリー氏の話は、どこまでが事実だったのか。
基本的に私はフィクションが大嫌いで、この世の事実がもっとも感動するものだと常々思っている。
もしこのCMがまったくの創作だったとしたら、「あー泣いて損した」と思ったかもしれない。(^^)


ネット上で得た情報によれば、TrueMoveはSNSでシェアされていた感動的な話をもとに、この動画を制作したという。
それが、ハワード・ケリー医師の話だったのだろう。
この話が、タイ仏教で信じられているカルマの法則に即した部分があるために、タイ人たちの心象に合う話として、動画を制作したのかもしれない。
ちなみに、この動画に出てくるプラジャック(タイ語の発音だとパジャック)・アルントンという医師が実在するか調べてみたが、どうも架空の人物のようだ。


自分がさらに探求した結果によると、こういうことらしい。
ハワード・ケリー医師の感動的な秘話は、2000年頃からネット上で流れていたという。
その後、米国の自己啓発書やスピリチュアル系の本などでも紹介されるようになった。
ケリー医師の伝記の著者によると、ケリー氏の友人が、ミルクの話は実話だと語ったという。
話が多少脚色されている部分はあるだろうが、基本的な部分は実話だったのだ。
請求書に"Paid in full with one glass of milk"(グラス一杯の牛乳によって支払い済み)と書かれていたことも、その友人は本人から聞いていたという。


私自身、最近あまりものごとに感動する機会が減ってきたなと思っていたところへ、この動画を知ったので、ブログで紹介した次第だ。
自分自身も含めて、感動するということを忘れないようにと。


misaさんのブログにある、生命保険会社のCMも、また感動的な話ですよ。
ここにも埋め込んでおきます。


タイには、こういう感動的なCMがたくさんあるようです。
また別の機会に紹介するかもしれません。
多くの日本人が忘れてしまったものを、タイの人々はまだ持っているようで、嬉しくなります。


ハワード・ケリー氏について経歴など詳しいことを知りたい方は、英語になるが、Wikipediaの項がある。


タイ仏教入門 (めこん選書 1)

タイ仏教入門 (めこん選書 1)



スポンサード リンク



Copyright (C) 2004-2017 Naoya Momose. All Rights Reserved.