探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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赤ちゃんと二人で海外旅行


前回の下記の記事でも書いたが、サルちゃん(タイ人の家内)が結婚以来はじめて帰国することになり、11月18日に渡航した。
前回は赤ちゃんのパスポート申請の方法について書いた。


今回は、赤ちゃんの航空券購入や搭乗の際の注意点などをまとめることにする。
いつものことだが、あれもこれもと書き足しているうち、かなり長文になってしまった。


赤ちゃんと一緒の飛行機の旅、特にお母さんと二人だけの渡航は、色々と注意すべきことが多く、事前に十分な情報を得ておく必要がある。
こういうことは普通お母さんの方が積極的に情報収集したりするのだろう。
でもうちのサルちゃんは平仮名しか読めないので、育児に関する情報なども、私が集めなければならない。


うちはいま極貧状態で、サルちゃんが前から帰りたいと言っていたのに、格安航空券を買う余裕もなかった。
それを見兼ねて、日本人と結婚して東京に住むお姉さんが飛行機代の一部を貸してくれた。
それで、2012年11月中旬から正月明けまで2ヶ月弱、タイの実家へ帰ることになった。

チケット予約まで

航空券は、本来ならば少しでも安くとエアアジアなどのLCCを探すところだ。
でもタイ直行便のLCCは無く、サルちゃんが嫌がった。
たしかに赤ちゃんを連れて一人で乗り継ぎは大変だろう。


それで、いつも利用しているサイトで格安航空券を探すことに。
成田は遠くて大変だから、羽田発の便に乗りたいと言うので、その前提で探した。


渡航時に生後8ヶ月になる龍矢は、もちろん席を取らない。
年齢が3歳未満の場合(国内線は2歳未満、大人の膝の上に座らせることができる。
それでも大人の運賃の1割ぐらいの料金がかかる。
独自の席を取る場合は、たとえ0歳の乳児でも大人運賃と変わらないか、または大人運賃の75%だったりする。
この点は電車などの他の交通機関と異なるが、航空機の場合は席の占有に対して料金が発生するという考え方だから仕方ないだろう。



羽田空港国際線ターミナルで)


出発予定のちょうど2ヶ月前のことだったが、本当に安い格安航空券はどこも売り切れ状態。
某サイトで、ANAのエコ割5 タイプFという正規割引運賃のチケットを見つけた。
エコはエコノミーのことで、事前に座席指定が可能などのメリットがある。
大人一人だと35,400円で、税や燃油サーチャージすべて込みで66,000円ぐらい。


龍矢は、大人運賃の1割よりちょっと高い3,600円。
その他に、海外諸税と空港使用料は0円だが、燃油サーチャージが600円と、発券手数料が大人と同じ3,150円かかる。
二人分合計の往復旅行代金は、  73,320円となった。


往路は、11月18日(日)0:30羽田発バンコク行き全日空NH173便。
飛行機材はBOEING 767 300。
飛行時間は7時間30分。
復路は、2013年1月9日(水)22:40バンコク発羽田行き全日空NH174便。
飛行機材はBOEING 767 300。
飛行時間は5時間50分。
往復とも直行便だ。

バシネット席

赤ちゃんと一緒に快適に飛行機の旅をする場合、必須になるのが、バシネットだ。
Bassinetとは、乳児用に飛行機内に取り付けられた箱のようなベッドのこと。
今までそういうものを見かけたことはあるが、そういう名前だと初めて知った。
英語の本来の意味は、藤で編んだ揺りかごだ。


ANAのサイトでは、バシネットで検索しても見つからないのでおかしいと思ったら、「ベビーベッド」という言葉を使っていた。
ANAファミリーらくのりサービス」というのがあって、大人一人の旅行に3歳以下の子供を同伴する場合に、様々なサービスを受けられる。
(お父さんなどが一緒だとダメ?)


バシネットは普通機内の大スクリーンの前の席のように、前方が壁になっているバルクシートと呼ばれる席に設置されている。
そういう構造上、席数は限られていて、例えば200人ぐらい乗れる機体で、ビジネスクラスに3席、エコノミーに4席ぐらいだ。
ハワイなど家族旅行が多そうな航路では特に、早い者勝ちだろう。
航空券の予約の際に申し込む必要があるが、必ず希望に添えるとは限らない。
格安航空券よりは正規割引運賃の方が優先されるらしい。



ANAのバシネット)


バシネットには体重制限があり、赤ちゃんならば無条件に利用できるわけではない。
航空会社や機体によって異なるが、大体10キロ前後となっている。
安全性に厳しい(?)ノースウェストでは9キロ未満で、12.5キロのところもある。
ANAの場合は10キロまでで、サイズの長辺が85センチだ。
身長がギリギリかそれ以上ある子だと厳しい。


搭乗時に生後8ヶ月だった龍矢はちょうど10キロくらいで、予約の時は心配した。
だが当日のチェックインでは10キロぐらいでギリギリだと自己申告しただけで、体重を計るようなことはされなかった。
龍矢を一瞥したスタッフが問題ないという表情をしていたので、おそらく10キロというのは多少余裕を持たせた値なのだろう。


今回の渡航は、当初はANAと提携したタイ国際航空の機体を使用する予定だったが、その後ANAの機材に変更された。
タイ国際航空の機内には設置されていないらしいから、変更になって良かった。
たまたまそういう機体だったのかもしれないが。
特にお母さんと赤ちゃんだけの渡航の場合、バシネットがあると無いとでは大違いだろう。


たとえバシネット席が取れなくても、バルクシートを極力頼んだ方が良い。
前の席の人がリクライニングを深く倒してきたら、赤ちゃんの授乳や食事が困難になる。


ちなみにエアアジアでもバシネットシートがあって、数は限られるが無料で利用できるという。
だが「但し」が付く。
運賃が数千円アップの「ホットシート」に親が座った場合のみ、バシネットが利用できるという。
結局は有料と同じようなものだ。


バシネットは、飛行中ずっと利用できるわけではない。
離着陸や乱気流でシートベルト着用のサインがでたら、赤ちゃんをバシネットから取り出し、抱っこしなけらばならない。


後で知ったのだが、本当の格安航空券だと、バシネット席を希望しても取れないことがあるという。
たまたまそうなったのだが、今回正規割引運賃にして良かった。

ベビーカー

海外旅行では、渡航の際も含めて、ベビーカーがあった方が楽という場合もあるだろう。
ベビーカーは、航空会社によっては機内持ち込みが禁止されている場合がある。
ANAの場合も持ち込み禁止で、手荷物として預ける必要がある。


航空会社によって違うかもしれないが、ANAは搭乗まで空港内で利用できるベビーカーの貸し出しをしている。
また、羽田空港国際線ターミナルでは、写真のようなカートが置いてあった。


サルちゃんは、ベビーカーは要らないと言って、持っていかなかった。
羽田空港までの移動には、抱っこひもを使った。
2ヶ月弱も滞在するから、あった方がいいだろうと言うと、重いから嫌だと。
実家からどこかへ出かける時は両親や姉妹が車で運転してくれるし、大きなショッピングマートではベビーカーが置いてある。


お母さんと赤ちゃんだけの旅の場合、スーツケースが大きいとベビーカーを押していくのもままならない。
サルちゃんのように、空港まで見送り・出迎えが来てくれるならば良いが。
彼女は写真のような大きなスーツケースに、エコノミークラスの制限23Kgギリギリまで詰めて行った。
龍矢の衣類やベビー用品や飲み慣れた粉ミルクなどもあるので、どうしても重くなってしまう。



(妊娠中の妹とお姉さんが車で迎えに来てくれた)

抱っこひも

ベビーカーはなくても、抱っこひもの類は必須だろう。
機内で着席している時に使うという手もある。
たとえバシネットが利用できても、赤ちゃんがぐずった時に使ったりできる。


生後8ヶ月のうちの子ぐらいになると、バシネットから這い出して落下する恐れもあるから、起きている時は抱っこひもで抱いている方が良いかもしれない。

授乳

特にお母さんと赤ちゃんだけの旅では、授乳は大変な作業だ。
母乳の場合、CA(キャビンアテンダント)用の席を使わせてくれたりと、頼めば便宜を図ってくれるところがあるようだ。
サルちゃんは、授乳室がないところでいつも使っているストールを使って、自分の席で授乳したらしい。
古着屋で安く入手した薄い布で、これで胸元を隠す。


ミルクの場合は、哺乳瓶に粉ミルクを入れて、CAにお湯を100ccお願いしますなどと頼めば、入れてくれる。
前述のANAのサービスでは、粉ミルクと哺乳瓶も用意している。
JALの国際線では、Webで大々的に書いてないが、ごく限られた数だが用意しているようだ。


粉ミルクに限らず、機内の資材は限られているから、あまりあてにしない方が良いだろう。
また、赤ちゃんが飲み慣れたメーカーの粉ミルクがあるとは限らない。


液体物持ち込み制限

2007年頃から、日本を含む多くの国では、機内に液体を持ち込むことが制限されるようになった。
機内持ち込み手荷物では、すべての液体物を100ml以下の容器に入れ、更にジッパー付きプラスチック袋に入れて、手荷物検査の際に示さなければならない。


だが、乳幼児を同伴する場合に限って、ベビーミルクやベビーフードはそのまま持ち込んでも良い。
手荷物検査の時に「子供用です」と言えば、ペットボトルや水筒のお湯などスルーしてくれるようだ。


私はそれを知らずに、羽田空港でサルちゃんに、お湯を捨てるように言ってしまった。
出国エリアにある授乳室に、デパートの授乳室でよく見かける給湯器(羽田空港国際線ターミナルでは湯温が80度の設定だった)があるので、そこで補給するすることができる。


また前述のように、搭乗後はCAに頼めばお湯を持ってきてくれる。
羽田空港国際線ターミナルでは、デパートなどの授乳室でよく見かける給湯器があり、湯温は80度になっていた。
もっとも、お湯は前述のように機内でも利用可能だ。

離乳食

離乳食を食べるようになった赤ちゃんの場合、食べ物も準備する必要がある。
ANAJALなど、航空会社によっては事前に予約しておけばベビーミールを用意してくれるところもある。
といっても、市販の瓶詰めだが。
ANAではスプーンやフォークもある。
海外の製品の場合、必ずしも美味しいとは限らないようだ。


赤ちゃんの好みは難しく、また月齢に合ったベビーフードが用意されているとは限らない。
食べ慣れた離乳食を持ち込んだ方が良いかもしれない。
瓶詰めよりは、袋入りの方が軽くて良い。
すでに書いたように、赤ちゃん用の飲食物には機内持ち込み制限もない。

おむつ

おむつの交換は通常、化粧室に設置されたオムツ交換台で行う。
渡航に必要な分を考えて手荷物バッグに入れておく。


使用済みのオムツは、機内トイレのゴミ箱に捨ててはいけないらしい。
自席に備え付けられた汚れ物袋に入れておき、後でCAに持って行ってもらえば良い。
そのため、使用済みオムツを入れるビニール袋も必携だ。


ANAJALでは、M・Lサイズの紙おむつを用意している。
これも数に制限があったりメーカーが限定されるだろうから、あまりあてにしない方が良いかも。
事前に予約が必要なところもある。


優先搭乗

知らない人は少ないだろうが、搭乗の際に、赤ちゃんや幼児を連れた乗客を優先搭乗させてくれる。
だが、海外の航空会社では優先搭乗がないところもある。
赤ちゃんを連れている場合、真っ先に搭乗できるだけでなく、他の乗客が入ってこない内に、CAが荷物の整理なども手伝ってくれたりする。


また日本ではないが、国や空港によっては出入国手続きの際に赤ちゃん連れを優先してくれるところもあるらしい。

耳抜き

それから、「耳抜き」のことも考えておく必要がある。
離陸・着陸時の時に、赤ちゃんも大人と同様に耳が痛くなり、泣き出すかもしれない。
大人ならばガムやキャンディを口にできるが、赤ちゃんはそうはいかない。


赤ちゃんが泣いたら、水などの飲み物を飲ませると良い。
おしゃぶりを好む赤ちゃんならば、それをくわえていれば唾液が出てきて良いようだ。
母乳ならば、おっぱいを飲ませるのも良いだろう。
サルちゃんはそうしたらしい。

赤ちゃんを泣かせない

赤ん坊は泣くのが商売とはいっても、狭い機内で長時間身動きが取れず、ただでさえストレスがたまる。
それに加えて、近くで赤ちゃんに大泣きされたら誰でもイライラするだろう。
それが原因でキレる乗客も中にはいて、犯罪行為に発展することも。
お母さんとしては肩身が狭い思いをする。


まわりの人々にすれば、赤ちゃん泣くのは仕方がないとしても、お母さんがあやしたり泣き止む努力をしていないのを見るとイラっとするだろう。
母親としての最善の努力をすべきだ。


赤ちゃんの方は、大人以上にストレスを感じているかもしれない。
バシネットという狭い箱に押し込められて身動きがとれず、時にはガタガタと揺さぶられたりする。
たとえお腹がすいていなくても、赤ちゃんを泣かせる要因はたくさんある。


そのような環境で、お母さんも赤ちゃんもなるべくストレス無しに過ごすには、やはり赤ちゃんに寝続けてもらうことだろう。
泣き続けて周囲のひんしゅくを買うことも少なくなる。
そういう意味では、夜間の便が望ましい。
また、搭乗前になるべく寝ないように起こしておくとか。
サルちゃんの場合、深夜の羽田発を希望していたが、そういう意図もあったのだろうか。
自分も寝ているうちにバンコクに着くのは、退屈しないで良い。


赤ちゃんが泣き出した時の対処として、オモチャ、絵本、お菓子などを用意しておくと良い。
前述のANAのらくのりサービスでは、オリジナルのオモチャをもらえるようだ。


うちの龍矢はまったく無駄泣きをしないので、サルちゃんもさほど神経を使わずに済んだだろう。

やはり日本の航空会社?

私はこれまで数十回海外へ行き、いろんな国の航空会社の飛行機に乗ってきた。
その経験から言うと、日本のCAは、やはり細かい心遣いという点で好感がもてる場合が多い。
乳児を同伴したお母さんに対する場合も同様なようで、そのために日本の航空会社を選ぶお母さんもいるようだ。


サルちゃんの実家は、サムットプラカーンといって、バンコクの東と南に面している県にある。
ちょうど日本の千葉県のよう海に面していて、スワンナプーム国際空港もある。
実家は海の近くにあるらしい。
機内では特に大きな問題もなく、家族と再会できたようだ。
お爺ちゃんとお祖母ちゃんは、龍矢に日本に帰ってほしくないと言っているそうだ。大変だ。


なんだか百科事典的に長くなってしまった。
赤ちゃんと二人旅のお母さんたちのお役に立てれば嬉しい。



(みんなにイケメンと言われるよ)

帰国時の追記(2013/01/10)

今日、サルちゃんと龍矢がタイから帰国した。
6:30羽田着の予定に併せて始発に乗ったら、6時に品川に着いた頃に「いま着いた」とサルちゃんからメッセージがあった。
まあそのくらい早まって着いても普通かもしれない。
2ヶ月の間に龍矢はかなり大きくなって、体重は先ほど測ったら11.5Kgになっていた。
バシネット席を予約していたが、チェックインの時に「体重は10キロぐらいです」という自己申告で通ったそうだ。
3席並びの中央の席が空いていて、配慮してくれたのだろう。
ラッキーだった。


サルちゃんは持っていった自分のスーツケースとまったく同じサイズのをお姉さんから借りて、荷物をギュウギュウに詰め込んで、さらに大きなダンボール箱に龍矢の衣類を詰めて持って帰ってきた。
それでも超過料金を取られなかったという。
それを聞いて頭の中が「?」マークで一杯になったが、その訳がわかった。
龍矢は独自に座席を取らずに大人運賃の10%を払っただけだが、それでも荷物重量は親と同じ重量が割り当てられるという画期的なルールになっているのだった。



いまANAのサイトを確認したら、こう書いてあった。

3辺の和が203cmを超えない手荷物1個、
重量は同行する大人と同様の取り扱いです。

あんなにでかいスーツケースでも、たしかに3辺の和は203cmを超えないだろう。
段ボール箱の重さを含めて、エコノミーの大人一人分23Kg x 2で、46Kgに収まったということなのだ。
なんと画期的な!
でも、こういう決まりがなかったら、どんなに高くついても超過料金を払うつもりだったのだろうか?
まったく「細かいことは気にしない」東南アジア人らしいな。



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