探求三昧(はてな支部) - 地震前兆/超常現象研究家・百瀬直也が地震・災害予知・防災・予言などを探求

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さまざまなガムラン音楽


先日は、下記の記事で、バリ島のスマル・プグリガンを紹介した。

バリのガムランと一口にいっても、多様な音楽の形態があると前に書いた。
今日は、その一部を紹介することに。

グンデル・ワヤン(Gender Wayang)

グンデル・ワヤンは、ジャワやバリの影絵芝居ワヤン・クゥリットのためのガムラン
非常に難易度が高い。
私も一度だけある村で習ったことがあるが、すぐに挫折した。
音を出すのと消音を、同時にやらないといけない。
ガンサなどの片手でバングル(バチ)を持つ楽器だと、左手で押さえて消音すれば良い。
だが、両手でバングルをもつグンデルでは、手のひらの側面あるいは手首に近いところで鍵板に触れて消音するのだ。


ガンサなどでは、右手でメロディーを叩くのと同時に、左手で一つ前に叩いた鍵板を親指と人差指ではさんで音を止めるのだ。
こうしないと、青銅の鍵板は残響音が長すぎて、音が混じって濁った音になってしまうから。
これだって、慣れるまではかなり大変だった。


音楽をやっている人は、ガムラン音楽の音階に興味をもつかもしれない。
ジャワやバリのガムラン音楽では、ペログ音階とスレンドロ音階という2種類の音階が使われる。
どちらも5音音階だが、ペログは島唄でおなじみの琉球音階に似ている。
西洋音階で無理やり表現すると、「ミファソシド」に近い。
スレンドロの方は、5音の間隔が均等に近くなっている。
バリのガムランといえば、ゴン・クビャールもスマル・プグリガンも、ペログ音階が使われる。
これに対して、グンデルワヤンや後で紹介するアンクルンでは、スレンドロ音階が使われている。


下に貼りつけたYouTube映像は、イ・ワヤン・コノラン氏といって、グンデルの名手らしい。
しかし、グンデルはカッコイな。


◎I Wayan Konolan


もう一つ、上海の音楽フェスティバルみたいなところでの演奏を。
こちらは複数のメンバーによる演奏で、コテカンの技法も使われている。


◎gender wayang @ world music shanghai 08

アンクルン(Angkulung)

アンクルンは、竹製の楽器もある。
ここで紹介するのは、青銅の鍵板楽器であるアンクルンだ。
これは、葬式などの儀式で演奏されることが多い。
キラキラとした高音の響きがたまらなく気持ちよくて好きなのだ。


バリ島でのアンクルン

ガンバン(gambang)

次に紹介するのは、ガンバンという楽器。
ジャワやバリで使われるが、一口に言ってみれば、一種の「木琴」だ。
この5音音階を聴いていると、アフリカ音楽を連想させる。
キンキンした青銅のガムランに聴き疲れた時には、こういう素朴な音が欲しくなるかもしれない。


下記の映像は、映像の埋込みが許可されていないので、ウインドウの中をクリックして、YouTubeへ飛んで再生してください。

ジュゴグ(jegog)

非金属製の楽器が出たところで、ついでにこれも。
ジュゴグと呼ばれる、竹製のガムランだ。
いろんな意味で、他のバリ島ガムラン音楽とは異なる部分がある。
まず、その楽器の巨大さ。
通常は、屋外で演奏が行われる。
この大編成では、屋内ではちょっと演奏が無理そうだ。


ジュゴグは、ヌガラという村の人々が、歴史に埋れかかっていた楽器を発掘して復活させたもの。
そのスアル・アグンの演奏では、演奏者がトランスに入ることでも知られている。
トランスに入る要素として、一つには、その単調な旋律にあるのかもしれない。
また、この楽器が生み出す超低音の響きも、何か関係しているのだろうか。
ジュゴガンには、変性意識状態に入らせる何かがあるのだろう。
下記のビデオでは、演奏者がトランスに入っているかどうか判断が難しい。
うつろな目をしてそうな人も、いないでもないが。


◎[BALI] Jegog (Suar Agung) [GAMELAN]

ガムラン・スンダ

次は、西ジャワのスンダ地方のガムラン音楽を紹介する。
スンダ人は、他のムラユ(マレー)系の民族と異なって、肌の色が白い。
中国人に近い系統なのかもしれない。
ちなみに、インドネシアで美形で売っている女性歌手の大半は、色白のスンダ人だ。


スンダ地方の音楽というのは、これも日本人の心の琴線に触れるようなところがある。
下に貼りつけたビデオの欧米人のグループ、じつはトンデモナイことをやってのけている。
なんと、ジャワ、スンダ、バリのガムランを連続して、同じ楽器で奏でているのだ。


やっぱりジャワのガムランは優雅で良い。
また、音の響きが良い。
ただ、ガムラン音楽はこのようなホール(教会?)でやるのは向いていないだろう。
残響成分が多すぎる。
それにしてもこの人たち、かなり高度なテクニックをもっているようだ。


◎Indonesian gamelan medley from Java, Sunda and Bali


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