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映画『聖処女』を見て


2006/08/13(日)に書いたDVD『聖処女』について。
「ルルドの奇跡」の主人公である聖女ベルナデッタ(ベルナデット)を題材にした昔のアメリカ映画だが、以前の記事を読んでいない方は、まずこちらからどうぞ。↓
http://d.hatena.ne.jp/nmomose/20060813/bernadette


聖処女 [DVD]

聖処女 [DVD]


このDVDを購入してから1ヶ月以上たって、やっと見ることができた。
なにしろ158分(2時間38分)もある映画だから、年中多忙な私は休日でもなかなか時間がもてなかった。


この映画の原題は『THE SONG OF BERNADETTE』。
DVDのカバーには「名匠ヘンリー・キングが贈る、奇跡の聖女、ベルナデットの生涯」とある。
1943年度アカデミー賞5部門受賞した(主演女優/撮影/美術監督/室内装飾/音楽)というから、当時はかなり話題になったのだろう。
63年も前の映画だから、もちろんモノクロ版だ。
監督はヘンリー・キング、主演はジェニファー・ジョーンズ
フランツ・ヴェルフェル(Franz Werfel、1890-1945)というオーストリアの作家が1941年に発表した作品『ベルナデットの歌』が原作。
ちなみにこの作家、ユダヤ人だという。
このDVD、Amazonで4,179(税込)もするが、ユーズドストアで現時点で4点ほど出ている。
私もこの手で購入したが、贈られてきたのは未開封新品だった。


この映画、米国の大衆映画としては、かなり真面目に製作されている。
脚本は某小説を原作としているようだが、実際に鑑賞してみて、事実にかなり忠実に書かれていると感じた。
以前にルルド聖地巡礼のノンフィクション作品『聖母と聖女〜ルルド巡礼の記』を書いたときに内外のルルドの奇跡関係の資料を収集しているので、ある程度の知識はあるつもりだ。
まあ多少は脚色されていて、事実に反する部分もあるのだが。
前回の記事で書いた「魔女裁判」云々は、やはりデタラメだった。
某映画サイトの記述の誤りなのか、実際には魔女裁判などは出てこない。
19世紀の話なので、どうもおかしいと思っていたのだが。


この映画に出てくるベルナデッタは、内気そうでしとやかな乙女として描かれているようだが、実際は病弱であるにもかかわらず、かなり冗談好きで明るい女性だったようだ。
映画はルルドの奇跡の直前から始まって、ベルナデッタがヌヴェール修道院で35歳の若さで最期を迎えるまでを描いている。
聖女の生涯をかなり足早に追っているという感はあるが、2時間半の映画ではそれ以上を望むことはむずかしいだろう。
肝心のベルナデットと聖母マリアのやりとりの場面が少ないのが物足りないところだが、聖母をあまり頻繁に登場させると物語全体が安っぽくなってしまうというような配慮があったのだろうか。
ベルナデッタが故郷を後にして両親と別れる場面では、涙ぐんでしまった。
修道院に入ってからは更に足早になるが、亡くなる前後のあたりは、ちょっとあっけなかったかもしれない。
聖人といえども人間だから当然欠点もあるのだが、この作品では美化されすぎていると感じるのは、映画としては仕方ないところか。
全体的には、60年前の映画としては非常によくできていて、ルルドの泉の奇跡や聖女ベルナデッタを敬愛する人には十分に見る価値があると思う。


既にこのブログで何度か書いているように、私の次の著作はこのルルドの奇跡を題材にしたノンフィクションで、以前の『聖母と聖女〜ルルド巡礼の記』を元に大幅に書き換える予定です。
現在は資料収集の段階で、これから執筆開始というところです。
ヴィア・ドロローサ〜イエスが歩いた悲しみの道』と同様に、電子本とオンデマンド本として理想書店で販売してもらうおうと思っています。


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