探求三昧 by 百瀬直也 - 地震前兆研究家の地震予知・地震予測関連ブログ

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イヴの七人の娘たち

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『イヴの七人の娘たち』(ブライアン サイクス著、ソニー・マガジンズ、\1,680)読了。

イヴの七人の娘たち

イヴの七人の娘たち

「いまさら」と言われるかもしれないが…。発行されてから3年ほどたつが、以前から読みたいと思っていた本だ。ブックオフで週末に新刊書500円セールをやっていた時に見つけた。
すでにテレビでも特別番組が放映されているので、知っている人も多いだろう。遺伝子を研究する英国の科学者ブライアン・サイクス博士(Bryan Sykes)の驚くべき研究成果を自ら一般向けにわかりやすく書いた本。
この本の主人公は、ミトコンドリアDNAだ。別な言い方をすれば、本のタイトルにある通りの、「イヴ」の七人の娘たち。イヴといえば、アダムとイヴのイヴだ。その娘たちというからには、人類の祖先だ。
ミトコンドリアは人間の細胞に含まれている生体内のエネルギーを作り出す小器官で、その中に体細胞の遺伝子とは異なる独自のDNA(遺伝子)を持っている。このDNAは人間の母親からしか継承されず、母系の先祖をたどっていくと、何人かの「イヴの娘」にたどり着くとうわけだ。
この理論でいくと、現代のヨーロッパ人の先祖はすべて、たった七人のイヴの娘の子孫だということになる。その後の研究で、全世界では35人のイヴがいたことがわかっている。それぞれのイヴの娘には、レイラとかエミコとかいう名前がついていて、それぞれどのへんに住んでいた女性なのかがだいたいわかっている。
興味深いことには、誰もが自分のミトコンドリアDNAを調べてもらえば、この35人の女性のうち、自分の「DNAの母」なのか、つまり誰の子孫なのかがわかるのだという。
このサービスは、サイクス博士が所属するオックスフォード大学の「オックスフォード・アンセスター」という機関で受け付けている。
料金は180ポンドからというから、日本円にすると最低35000円ぐらいかかる。この額が高いか安いか?これだけの値段で自分の母系の祖先がわかるのだったら、安いだろう。もっとも、その判定が本当に「本当」だとしたらの話だが。
これはあくまでも一つの学説であり、学会で定説とみなされているわけではないのだ。下記のウィキペディアの記述によると、ミトコンドリアが父系で継承される例も発見されているという。

だが、そういうことを置いておくとしても、ものすごくエキサイティングでロマンティックで知的好奇心を呼び起こす話ではないか。人は誰も、自分の祖先を知ると元気になるらしい。自分の祖先について知りたいという本能的な欲求があるのかもしれない。私自身も、ぜひ「元気」になりたいものだ。
上記のサービスの申し込み方法は、この本の出版元であるソニーマガジンズのサイトにある。ちなみに、このページの記述によると、日本人の95%は、9人の「DNAの母」から生まれているという。
この本の後半では、上記の9人のイヴの一生を書き綴っている。どういうところで生まれて、どういう家族をもって、どういう死に方をしたか。「なんだ、フィクションか」と、力が抜けそうになった。
貴重な人生の時間の中で、フィクションというものを読んでいる暇はないのだ。だから、小説などというものはほとんど読まない。なぜならば、この世に起きる現実の体験の方がずっと感動を呼ぶものだからだ。
そんなことを思いながら斜め読みしていると、これがけっこう面白い。たとえば二万五千年前に生きていたジニアは、忌み嫌われる双子を産んでしまい、一人を他人にあげざるをえなくなったとか。キャンプ地を毎晩訪れる狼を次第に飼いならしていって、それが犬になったとか。もちろんサイクス博士の創作なのだが、いかにもありそうな話で、面白い。
本の最後の方では日本人の話題が出て、アイヌと沖縄人は縄文人の血を引いている話がチラッと出てくる。
実はミトコンドリアDNAによって、日本人のルーツを探るという研究が、人類遺伝学を専攻する宝来聡博士によってなされている。
その著書『DNA人類進化学』によると、本土の日本人は、縄文人の子孫と考えられているアイヌ琉球人とある程度遺伝子的に近い関係にあるものの、本土日本人における遺伝子プールの大部分は、現代日本人以降のアジア大陸からの渡来人に由来すると結論づけられている。つまり日本人は縄文人と、その後に大陸から渡来した民族(百瀬注:単一の民族とは限らない)との「混血」であるというのだ。
このようにDNAの研究は、日本人のルーツを探るというエキサイティングな目的にも応用されているのだ。

【参考文献】

DNA人類進化学 (岩波科学ライブラリー (52))

DNA人類進化学 (岩波科学ライブラリー (52))


【参考サイト】

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