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『日本人の脳』と早期英語教育の弊害

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日本人には昔から「日本人の心」とでもいうべき独特のものの見方をもっている。
それは、言ってみれば「自然との一体感を感じる」ということだ。
東京医科歯科大学の角田忠信教授が書いた『日本人の脳―脳の働きと東西の文化』(小学館)という本が、一時期非常に話題になった。


1978年の本だから、かなりの昔だが、そのユニークな研究成果はいまだに色あせていない。
角田教授の研究によると、日本人とそれ以外の外国人の大脳の働きには、大きな違いがあるという。
外国人は、虫の鳴き声などの自然音を「雑音」として大脳右半球が処理してしまう。それに対して、日本人は本来言語の処理を司る大脳左半球で虫の音を捉える。
そのため、何かに集中しているときでも外で鳴く虫の音に気を取られ、風流を感じたり「秋が深まってきたな」と思うわけだ。
このような機能の違いがどうして生じるのかというと、その原因は日本語にある。


日本語は他の言語と違い、母音が非常に重要な役割をもっている。
そのため、母音を大脳右半球で「雑音」として処理する外国人と異なり、日本人は大脳左半球で処理するのだ。子音については、外国人と同様に左半球で処理される。
そのため、母音に似た性質をもつある種の音(自然音など)も同様に左半球で処理されるというわけだ。
古来、われわれの祖先たちは、自然と人間との間に一体感を感じ、それを芸術のような形までに高めてきた。
もののあはれ」や「わび」「さび」といった日本人独特の美意識も、このような大脳の機能の違いによって初めて説明がつくものではないか。


日本人は様々な民族が交じり合ってできた「混血児」なのだ。
だから、「日本民族」という民族がいるわけではない。
日本という国に国籍をもつ「日本人」がいるだけなのだ。
日本人という存在が世界の中でも異質な存在として捉えられるのは、この辺から来ているのではないか。
日本人は、人種的には韓国人とそれほど変わらない。
以上のことから、「日本人」という存在は、日本語を話すことから生まれるのだということができるだろう。
文化的、精神論的な深い意味でも、それが日本人としてのアイデンティティーを作り出すのだ。


では、そのような独自性は日本人だけがもつものなのか?
それについては、同じように母音が重要な役割をもつ言語を話すポリネシア人も日本人と同様の結果が一部出ているという。
それだけでなく、まだ見つかっていないだけで、他にもそのような民族は世界のどこかにいるかもしれない。
そのような探求を行うことは、日本語の起源を考える上でも興味深いものがあるだろう。


ところで、上記のような日本人とその他の国の人々との大脳左右半球の機能上の違いは、5歳頃までに決まってしまうという。
つまり、5歳までに日本語以外を教えられた人々は、たとえ人種的に日本人であっても(本当はおかしい表現だがここではそれは置いておいて)「日本人的感性」を一生涯もてなくなってしまうのだ。
体は日本人でも、心は外国人のようになってしまうということだ。
多くの帰国子女たちは、その点で苦労しているようだ。
そのことを考えれば、早期英才教育としての英語学習は考えものだろう。
たしかに今の世の中、英語ぐらいわからなければ話にならないというのはある。
常識的にいえば、やはり母国語をちゃんと話せるようになってから外国語を教えるべきだろう。


大脳左右半球といえば、日本のような詰め込み式教育は、大脳左半球に偏った人間を作ってしまうだろう。
そういう意味では、お仕着せによる不条理な「お受験」を経験しなかった私は幸運だったといえるかもしれない。


それにしても、角田氏の著作を読んでいると「科学的事実はオカルトよりも奇なり」という言葉が頭の中に浮かんでくる。


【参考文献】

日本人の脳―脳の働きと東西の文化

日本人の脳―脳の働きと東西の文化

日本人の脳 (続)

日本人の脳 (続)


【参考サイト】
◎「前アジア世界」の根っこをもつ日本人
 http://www.nipponkaigi.org/reidai01/Opinion3(J)/history/kennkoku.files/osonfa.htm


(この記事は2004/09/18にexciteブログに投稿したものの転載です)



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